2004
(平成16年)
2004年度(2004年4月〜2005年3月)
相談受付件数
総受付件数6,094件
相談内訳|業種別
- 1人事募集
- 2消費者金融
- 3健康食品
- 4専門店
- 5生命保険
- 6行政・団体
- 7パチンコ
- 8携帯電話
- 9情報サービス関連
- 10インターネット関連
相談内訳|媒体別
- 1テレビ
- 2折込
- 3雑誌
- 4新聞
- 5インターネット
- 6チラシ
- 7パンフレット等
- 8ダイレクトメール
- 9ミニコミ誌
- 10屋外
2004年度(2004年4月〜2005年3月)
広告・表示に関する意見の傾向
総件数では2003年度から大幅に減少しているが、これは大きな消費者トラブルになるような広告問題がみられなかったことが一因にあると考えられる。なお、媒体では前年度に引き続き、1位が「テレビ」、2位が「折込」となった。また「インターネット」が件数を伸ばしており、「雑誌」「新聞」の件数に迫る勢いであった。なお、メディア別の広告費では、「インターネット」の広告費は1,800億円超で、前年度比153%(電通「日本の広告費」より)という広告費の伸びに比例してJAROへの相談件数が増加した。近年、健康食品などの通信販売において、「効果がなければ全額返金する」旨を表示してあるので、返金請求の電話をすると、広告には記載のなかった書類提出などの条件を提示されたという苦情が寄せられた。返金のために条件がある場合には、事前に広告にその内容を表示していないと特定商取引法に違反するおそれがある。
2004年度(2004年4月〜2005年3月)
寄せられたご意見(一部)
インターネットサービス
自分の住んでいる地域にも、光ファイバーのインターネットサービスが開始されるという新聞広告を見て、申し込んだが返事がない。広告主に問い合わせたところ、自宅周辺はサービスエリア外であると言われた。また「そのことは『一部地域を除く』と広告に記載してある」とも言われた。広告を見直すと記載されていたが、本文に比べて極度に小さな注意書きであった。新聞広告において使用する文字の大きさにルールはないのか。
コンタクトレンズ(消費税表示)
コンタクトレンズの看板を見て、安いと思い店に行ったが、看板とは違う価格であった。納得がいかなかったが、コンタクトレンズがないと生活できず、予備もなかったのでやむなく購入した。再度、看板を確認すると、看板の表示が紛らわしく、自分の見た金額は税抜き価格で、実際販売されていた税込み価格は、少し小さくカッコ内に表示されていた。誤認するのではないか。
メール便
都内から隣県へ出版物を送付する目的で、A社のメール便を利用している。夕方5時ごろ同社の配送センターから当該のメール便を引き取りに来てもらった。広告では「翌日配送します。※一部地域を除く」とあるが、実際に翌日届くのは送付したうちの約半分で、残りは翌々日にならないと相手の手元には到着しない。「翌日配達」という広告は事実と違うのではないか。
内職
「自宅で簡単な書類を作るだけで高収入になる。意欲のある人を、地域限定で募集している。条件として、資格をとってもらわなければならないが、今なら教材費は、国へ補助の手続きをすれば、ほとんど戻ってくる。今日中に返事が欲しい」という電話があった。よい話なので申し込もうと思うが問題はないだろうか。
化粧品・健康食品(添加物)
健康志向から肥満防止やアレルギー症状・体質改善などの情報を多く見かける中で、最近、にがりを使用した化粧品や健康食品などの広告をよく見るが、実際に効果は期待できるだろうか。
HDDレコーダー
カタログを見てDVD搭載のハードディスク・レコーダーを購入したが、デジタル放送の録画ができなかった。そこで顧客相談窓口に問い合わせると、「アナログ放送しか録画できないことは、カタログに書いてある」との返事だった。同じカタログの裏表紙には「地上デジタル放送が始まる」との特記もあり、デジタル放送が録画可能であるような印象を受ける。カタログはもっと分かりやすい表示をするべきだ。
個人情報
「○○工事のお知らせ」というチラシの裏に「地域調査票」「環境整備工事の一環として地域調査にご協力ください」と書かれており、住所・氏名などの個人情報を記入させる項目がある。このような、行政機関からの通知のような体裁で個人情報を収集するアンケート調査を行っても問題はないのか。
2004年度(2004年4月〜2005年3月)
REPORT JAROの記事より
- 公益通報者保護法上程へ「消費者被害防止に多彩な取り組み」――2003年度下期の行政連絡会として、9省庁、14名の消費者行政担当官より消費者被害防止に関する多彩な取り組みが報告された。(2004年4月号)
- 民間自主規制団体との会合から「広告基準作り広がる」――関係団体協議会の開催概要。JAROの業務報告ののちに各団体の近況報告として電気通信サービス、衛星放送、民間放送、生命保険、訪問販売、結婚情報サービスの6業界から、それぞれの広告・表示に関する今後の取り組みが報告された。(2004年5月号)
- 「消費者モニター」を4地区で実施 消費者が興味を抱く折込広告など調査(2004年7月号)
- 30周年記念式典報告 長年の実績を土台に次の30年に向けた活動を展開――JARO設立30周年を祝う記念式典の報告。(2004年8月号)
- 放送界の第三者機関・BPO2年目の課題――理事・事務局長三好晴海氏より寄稿。(2004年9月号)
- JARO、HPに30年史を掲載 会員向け「相談内容検索システム」も本格稼働――30周年記念事業の一環としてJAROホームページへ30年史(JAROのあゆみ)を掲載した。記念事業のもう一つの柱である、会員向け「相談内容検索システム」も2004年7月にスタートして本格的な稼働となっている。(2004年11月号)
- 消費生活相談04年の傾向 架空請求で相談件数急増――国民生活センターとの懇談会の報告。2003年から2004年にかけての大きな特徴は架空請求がらみの消費者被害が激増していることで同センターのこれに対する各種対応について意見交換が行われた。(2005年2月号)
2004年(1月〜12月)
世相と広告
世相
出典:電通 広告景気年表より
景気は前年からの回復基調が続き、実質GDP成長率は2.7%のプラスとなった。また、新潟県中越地方でM6.8の地震が発生。年末にはスマトラ島沖でのM9.0の地震によりインド洋沿岸諸国に大津波が押し寄せた。この年、アテネ五輪で日本選手が活躍。史上最多のメダルを獲得。北朝鮮の拉致被害者家族が帰国。韓流が流行語に。日本の総広告費は4年ぶりの増加。5兆8,571億円(対前年比103.0%)。参院選、アテネ五輪、猛暑などが追い風となる。テレビ広告費は2年連続増、インターネットも大幅に増加した。
JARO ピックアップ トピック
出典:消費者庁 消費者問題年表より
- 公正取引委員会、「有料老人ホーム等に関する不当な表示」を指定(告示)(4月)
- 消費税総額表示制度開始(4月)
- 「特定商取引法」改正(5月)
- 「消費者保護基本法」改正(消費者基本法に改称)(6月)
- この頃、振り込め詐欺被害の多発
流行した広告
出典:電通 広告景気年表より
- サントリー<アミノ式 宙返り挙式>
- ネスレジャパン<ネスカフェ 朝のリレー>
- アップルコンピュータ<iPod ダンス>
- 花王<アジエンス 世界が嫉妬する髪へ>
- アメリカンファミリー生命保険<EVER よ~く考えよ~>
- 日清食品<カップヌードル NO BORDER>